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『「自殺した人に同情しない」という人は哀しい人 ~「思いやり」こそ、救う力!~』

SNSでこんな言葉を見つけた。

「自殺した人に同情しない」
「自殺は、家族や友人など周りの人たちをも苦しめるから」

僕は、自殺を肯定しない。
自殺をすすめない。
でも、その気持ちは痛いほど理解できる。
なぜなら、そうした逆境を自分でくぐり抜けてきたから。

僕は思う。
「自殺した人に同情しない」という人は、きっと強い人間なんだろうと。
人生の中で辛く苦しいことがあっても、死を選択しないで生きることは大切だと思う。

でも、この台詞は違う。
この台詞から感じるものは、「エゴイスト」だ。

自殺する人だってエゴイストだという主張もあるだろう。
ある意味では当たっていると、僕も思う。

それでもあえて言いたい。
あなたは病気になって誰かの助けを借りたことがないのですか?
ケガをして誰かのお世話になったことがないのですか?
失敗したときに誰かに励まされたことはないのですか?
悲しくて一人で寂しくなったときに、誰かにそばにいて欲しいと思ったことはないのですか?

もし、あなたが新型コロナウイルスに感染して重症化したらどうしますか?
そのとき、こんなことを医療従事者から言われたらどう思いますか?

「新型コロナウイルスに感染したのは、あなたの行動に責任があるから、同情しない。だから、治療をしない」

人生を歩んでいれば、必ず辛く悲しいときがあります。
そんなとき「死にたくなる」ことはあります。

だけど、子どもの頃から、ずっと毎年毎年、「死にたい」と思っている人はいません。
「死にたい」と思うことは人生のある時期に起こる悲劇などが原因です。
それが解決すれば「死にたい」気持ちは消えていきます。
それは病原菌が身体からなくなれば、体が健康を取り戻すことと同じです。

なのに、「同情しない」と言うのは、実は自ら死を選ぶ人を責めているのです。
自ら死を選ぶ人を憎んでいるのです。
怒りをぶつけているのです。
それがあなたの心の奥底にある本心です。

それはなぜでしょう?
あなたの大切な人が自殺して、あなたが傷ついたからですか?
それとも自ら死を選ぶ人は「弱い人」と思って軽蔑しているからですか?

「死にたい」と思っている人には、同情は必要ありません。
「死にたい」と思っている人に、同情は援けにはなりません。

なぜなら、「同情」は、死にたくなっている人の気持ちを理解できない立場から発せられる感情だからです。
だから、同情は死を選択するほど、追い詰められた人の心に届きません。

同情は、健康で、深刻になるほど生きる心配がない人の立場で、自分より不幸な人へ向けて出される感情です。
だから、たとえ同情しても自ら死を選ぶ人を救う力にはなりません。

それでも、「同情」できる人は、貴重な存在です。
まだ、人の心を持っていると思います。
でも、自ら死を選ぶほど苦しんでいる人に「同情しない」と言葉を発する人は、人間として大切なものを失っています。
それは、「思いやり」です。

同情と違い、「思いやり」は相手の立場に立って考える感情です。
「思いやり」は、相手の心に寄り添う感情です。
「思いやり」には、上下関係はないのです。

ですが、「同情」には、上下関係があります。
人間として生きるならば、同情よりも「思いやり」を大切にするべきです。
そして、「思いやり」こそ、自ら死を選ぶ人を救う力となるのです。

毎年、2万人以上の人たちが、自ら死を選択しているということは、ある意味では「同情しない」と思っている人たちが多くいるのだと思います。

僕は思う。
同情なんか必要ない。

大切なことは人間が自分一人では生きていけない存在だと心で理解すること。
お互いが支え合って社会が成り立っていることを心で掴むこと。
人生には、死にたくなるほど辛いことが起きるということを悟ること。

人としての人生で大切なことは、
人間の世界は弱肉強食であってはいけない。
強い者が弱い者を支配する世界になってはいけない。
人生という戦場で傷ついた人を置き去りにしてはいけない。
あなたは誰かのために、誰かはあなたのために、そうした人の道を歩むこと。

「思いやり」は、相手を見下さない。
「思いやり」は、痛みを和らげる良薬。
「思いやり」は、その人の傷みに寄り添う気持ち。
「思いやり」は、その人の涙をぬぐうハンカチ。
「思いやり」は、真っ暗な闇に差し込む光。
「思いやり」は、生きる力を取り戻させる力。
だから、「思いやり」は自ら死を選ぶ人を救う力となる。

僕は思う。
「自殺した人に同情しない」という人は、とても可哀そうな人。
とても悲しい人。

なぜなら心に愛がないから。
愛とは他人に与えるものだから。

「自殺した人に同情しない」という人の愛は「自己中心の愛」。
「自己中心の愛」を持つ人は、心の渇きを癒すことができない。
心が癒されないからずっと自分を愛している。
他人から愛を求めている。
だから、他人に同情できない、思いやりも持てない

「思いやり」の別名は、「与える愛」。
「思いやり」こそ、自ら死を選ぶ人を救う力。

世界中に「思いやり」が広まれば、戦争はなくなる。
世界中に「思いやり」が拡散すれば、誹謗中傷はなくなる。
世界中に「思いやり」が増えれば増えるほど自殺する人は減っていく。
「思いやり」こそ、人間の世界に必要な力。
「思いやり」こそ、生きるエネルギーを与える力。
「思いやり」こそ、立ち上がる勇気を与える力。
「思いやり」こそ、人間の証明。

もし、あなたの大切な人が自ら死を選ぼうとしているなら、その人の気持ちまで下りて行ってください
同情ではなく、「思いやり」を与えてください。
叱ったり、見下したりせず、寄り添ってください。

あなたの「思いやり」が本物ならば、あなたが「思いやり」を与え続ければ、きっと生きる力を取り戻すでしょう。

つばさ

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