『唯一無二の命 ~2万169人分の1人の命について~』

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日本の自殺者は一時期3万人を超えていた。

平成10年以降、14年連続して自殺者が3万人を超える状態が続いていました
それが平成24年に15年ぶりに3万人を下回った。

自殺者数最多(年間)は、平成15年の3万4,427人

要するに、日本における自殺者数は、毎年2万人~3万人もいるということ。
これを多いと思うか、それとも少ないと思うか、どちらでしょう?

2019年の日本全国の自殺者は、過去最少の2万169人
(男性:1万4078人、女性:6091人)
前年より671人減ったという。

この統計発表には、こう書かれていた。
「2018年より671人(3.2%)減って・・・。」と。

僕は思う。
「減った」からいいのか?
数字が減少すればいいのか?

統計を出すことはお役所の仕事で必要なことだと思う。
統計を取ることを否定しないし、自殺者を減らすためにも指標は必要だと思う。

だけど、そこに血が通っていないことに嫌気がさす。

血の通った人間の言葉でないことがひどく悲しい。

感情を持った人間の語る文章でないことが怒りに火をつける。

世間では、一人でも自殺者が減った数字に意味があるのだろうが、そこに忘れているものがあると、僕は思う。

それは自殺した人、一人ひとりがかけがえのない命を持った存在だということだ。

人の命は十把ひとからげには出来ないものだと思う。

一人の命は、「2万169人分の1(1/2万169人)」ではなく、100%の命なのだと思う。

つまり、その人にとっては大勢の中の一人ではなく、自分の命がすべて(100%)なのだ。

その人の家族にとっても、世界中のどこを探しても代わりの人がいない100%の存在なのだ。

何が言いたいかって?

それは、

「あなたの命は、全人類を探しても代わりがいない命である」ということ。

つまり、かけがえのない命であり、とても貴重な存在ということ。

あなたが「死にたい」と思っても、あなたの代わりになれる人は誰もいない

「俺の命が無くなっても何も変わらない」と思うかもしれないけど、それは違う。
この世界から、たった一つしかないあなたという個性を持った命が失われることは、この世界の何かをひとつ削っていくことになる

この世界は、すべての人があつまって出来ている大きな円のようなもの。
そして、あなたが一人いなくなることで、完全な円は完全ではなくなる。
あなたがいなくなった分だけ円に穴が開く。

あなたの命もこの世界を形成している大切な存在

僕は世界中を見て不思議に思う。
なぜ、目が二つ、鼻が一つ、耳は二つ、口は一つ、手が二本、足も二本と同じなのに、まったく同じ顔をして、まったく同じ個性をもった人がいないのか? ということに。
もちろん双子(一卵性双生児)の顔は似ているけど、個性に違いがある。
だから、完全に同じ人じゃない。

どうして顔や体型、才能や性格がまったく同じ人が存在しないのか?

科学者でこれを調べたことのある人はいないだろう。
科学者でも生物学者でも答えは出せないだろう。
もし、仮に答えをだすとしたら、DNAだとか、遺伝子配列だとか、そういうことを持ち出すのだろう。
でも、顔かたち、姿形はDNAで説明が出来たとしても、性格、個性をDNAで説明するこはできないだろう。

脳の作用というかもしれないが、人はまったく同じ状況でも同じことを考えない
同じ気持ちや同一の思考を取らない
それがなぜかは脳の作用では説明と証明ができないのではないかと思う。

僕が不思議と思うことを、他人は当たり前と思うかもしれないけれど、人生を考える上で大切なことのように思える。

僕は、そこに神の芸術を感じる

誰一人同じ存在の人がいない。
世界中探しても同じ個性の人がいない。
これは、あなたという命の尊さを示している、と思う。

だから「どうせ俺なんて(私なんて)死んでもかまわない」とか、
「俺が(私が)死んでも世界はなにも変わらない」と考えてはいけないと思う。

だって、唯一無二の命が失われてしまうから。

あなたという命には代わりがいない、ということを知ってほしい。

あなたの命はこの地球上で、唯一無二の命なんだ!

だから、生きていていいんだ!
生きていくべきなんだ!

僕はそう思う。

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